商品情報
肉筆春画傑作選
発売: 2016.04.01
浮世絵師が贅沢な顔料と精緻な技法を用いて描いた日本的エロティシズムの結晶 『肉筆春画傑作選』(大洋図書)発売!!
肉筆春画は絢爛豪華な特別製の一点もの
春画とは、人間の性愛の営みを描いた絵画のことである。それはもっとも人間的な行為を描く絵画といってもよい。
こんにち絵画といえば、喜多川歌麿や葛飾北斎といった江戸時代の浮世絵師による版画や版本が思い浮かばれるだろう。確かに浮世絵師のおもな仕事は、版画の下絵を描くことである。しかし、ときには絵師自ら筆をとって画絹または紙に墨で線を引き絵具で彩色をした本格的な絵画、いわゆる肉筆画も制作する。それらは複数生産可能な版画と違い、絢爛豪華な特別製の一点ものであった。限られた富裕な享受者らの注文を受けて、絵師が贅沢な顔料と精緻な技法を用いて筆を揮う高価な絵画だったのである。
尽きることのない肉筆春画の魅力
各時代に実力のある絵師が登場して、その時期の美意識を反映した肉筆春画の魅力は尽きることがない。とりわけ、絵師が一点一画に精魂を込めた筆遣い、その線の躍動、精緻な彩色から形づくられる生命感や情感をご堪能いただければ幸いである。そこに描かれているのは、エロティシズムという最も根源的な営みを含んだ人間存在の肯定であり、人生の謳歌なのである。
以上、『肉筆春画傑作選』より
筆者 樋口一貴プロフィール
十文字学園女子大学准教授。国際浮世絵学会常任理事。専門は美術史学。円山応挙および円山派、浮世絵を中心とした江戸時代絵画を研究分野とする。主な著作に『アート・ビギナーズ・コレクション もっと知りたい 円山応挙 生涯と作品』(東京美術)『歌川豊国 春画の世界』(洋泉社)『日本美術全集 第十五巻 浮世絵と江戸の美術(江戸時代IV)』(共著、小学館)など。
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価格: 36300円 (33000円+税)
判型: A4判
付属: BOX入り
発行: 大洋図書
ISBN: 978-4-8130-2270-7